人気のクラシックカーイベントをタイプ別にご紹介!

ここ数年、日本でもクラシックカーが盛り上がりを見せています。
クラシックカーの楽しみ方は人それぞれで、乗って楽しむ人、整備して楽しむ人、レースをして楽しむ人など多様です。
しかし、クラシックカーを購入して楽しもうとすると車両購入費用やメンテナンス費用、ガレージ費用など、少なからずお金がかかります。そこで手軽な楽しみ方として、まずは世界各地で行われているクラシックカーイベントを見学してみてはいかがでしょうか。
今回は日本国内で行われているイベントを中心にクラシックカーイベントをご紹介します。

クラシックカーイベントの主な4タイプ

そもそもクラシックカーや旧車のイベントには、どのような種類があるのでしょうか?
実はクラシックカーイベントにもいくつかのタイプがあります。
それぞれのタイプごとに代表的なイベントを整理してご紹介します。

1. 公道ラリー

現在、クラシックカーイベントの中心的な存在は公道ラリーイベントです。
堺正章さんを筆頭に芸能人や著名人も参加する、一見、華やかなクラシックカーイベントですが、実際は競技性の強いハードなレースなのです。
数百キロから数千キロといった長距離を移動しながら、チェックポイント毎にPC競技と呼ばれる決められた区間を決められた時間で通過するタイム計測競技を行っていきます。そのタイム計測の正確性でラリーの順位を競います。
これらのクラシックカーラリーはすでに国内でも20年以上続いているイベントも多く、日本でも長く根づいたクラシックカーイベントのタイプとなっています。
公道を利用したラリーの為、ルートによっては遠方のイベント会場にいかなくても自宅の近くで見学することが出来るかもしれません。以下は主なクラシックカーラリーです。

1-1. ラフェスタミッレミリア、ラフェスタプリマヴェーラ

日本の最も有名なクラシックカーイベントと言っても過言ではないラフェスタシリーズです。春は関西で行われるラフェスタプリマヴェーラ、秋は関東のラフェスタミッレミリアが開催されます。イタリアの本家ミッレミリアの姉妹イベントであり、参加車両の規定も非常に厳しく競技性も高いラリーとなっています。ラフェスタシリーズは4日間の日程で行われ、走行距離も1000km以上と長く非常に過酷な内容です。それゆえ参加者のレベルも高く、クラシックカー愛好者の憧れの大会になっています。
【公式HP】ラフェスタミッレミリア ホームページ
【公式HP】ラフェスタプリマヴェーラ ホームページ

1-2. コッパ・デ シリーズ

日本のクラシックカーラリーの草分け的な存在なのが、毎年春に山梨県で行われ、クラシックカーイベントシーズンの幕開けとなるコッパ・ディ小海です。20年以上続いており、日本のクラシックカーイベントのレジェンド的な存在になっています。コッパ・ディ小海の他にもコッパ・ディシリーズは、コッパ・ディ軽井沢、コッパ・ディ姫路、コッパ・ディ東京といった形で各地でも行われています。
【公式HP】コッパ・ディ小海 ホームページ

1-3.【海外:イタリア】Mille Miglia

毎年イタリア北部の街ブレシアをスタートし、イタリア国内を4日間で1600km激走する伝説的なラリーイベントです。世界中のクラシックカー愛好者が憧れる大会で参加規定も厳しいため簡単に参加出来ません。クラシックカーラリー界の世界大会といった位置付けです。日本からも毎年、数台がエントリーしています。
【公式HP】Mille Miglia ホームページ

2. サーキットレース

参加車両をクラシックカーに限定したサーキットイベントも近年盛り上がりを見せています。当時のレーシングカーを忠実に再現したレプリカや、クラシックカーや旧車を現代風に仕立てた車両など、ドライバーの個性とこだわりが詰まったレースが繰り広げられています。最新モデルの自動車レースでは味わえない、キャブ車独特のエンジン音と共に豪快にスタートするクラシックカーレースはとても迫力があり、一度は見学に行ってみることをおすすめします。

2-1. 日本クラシックカー協会(JCCA)主催レース

日本クラシックカー協会が開催するレースは、年間3~4レースのシリーズ戦で争われ、筑波サーキットでのTSUKUBA MEETINGや富士スピードウェイで行われるFUJI JAMBOREEなどが開催されます。改造のレギュレーションでクラスが別れており様々な参加車両による本気のレースが繰り広げられています。その中でも注目は、往年のマイナーツーリングカーレースのリバイバルとなるTSカップです。日産サニーやトヨタスターレットのフルチューニングカーが白熱のレースを争っています。
【公式HP】日本クラシックカー協会 ホームページ

2-2. フェスティバルオブサイドウェイトロフィ

イギリスの世界的なクラシックカーサーキットレースイベントのGOOD WOODを彷彿としたレース様式を行っているレースイベントです。その為、参加車両はイギリス車も多く、レースだけでなく、イギリスのジェントルマン文化も楽しめるイベントです。
【公式HP】フェスティバルオブサイドウェイトロフィ ホームページ

2-3.【海外:フランス】Le Mans Classic

現在もフランスで行われるル・マン24時間は世界的に有名なレースですが、その長い歴史から往年の参加車両でレースを行うリバイバルイベントが行われています。それがル・マンクラシックです。戦前のブガッティから1980年代に活躍したCカーなど、クラス分けされて本気のレースを行います。世界的にも貴重なクラシックカーが集まり、本気でレースをするさまは圧巻です。
【公式HP】Le Mans Classic ホームページ

2-4.【海外:イギリス】Goodwood revival

毎年秋にイギリス南西部サセックス州にあるグッドウッド・サーキットで開催される、モータースポーツファンにとっては夢のようなレースイベントが「グッドウッド リバイバル」です。非常に貴重なクラシックカーが集まる事で有名なこのレースは、独特のこだわりがあり、非常に面白いイベントです。例えば、参加するすべての人は当時のファッションでレースを楽しむというのが決まりがあります。女性は美しいヴィンテージドレスにハット、男性は当時を彷彿させるつなぎやクラシカルなジャケット姿で会場を訪れ、そこにいるだけでとても楽しくなるイベントです。
【公式HP】Goodwood Revival ホームページ

3. コンクールデレガンス

希少なクラシックカーを一堂に集め、展示形式で公開するイベントです。コンクールの為、審査員が出展車両のヒストリーやオリジナル性などを評価し、各種表彰を行います。出品された自動車自体が評価対象の為、希少で時には世界で1台しかない車両といった展示車両が並ぶことも多く、美術館のような光景です。ただ、実際にコンクールデレガンスのようなイベントは、あまり日本では開催されておらず、不定期での開催となっています。一方、世界では5月に行われるイタリア・コモ湖のコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステや、アメリカ西海岸で8月のモントレーカーウィーク中に行われるペブルビーチ・コンクールデレガンスが世界的にも有名で、世界2大クラシックカーコンクールデレガンスとして広く知られています。

3-1.ジャパン・クラシック・オートモービル

東京都中央区日本橋の橋上で行われるクラシックカーのコンクールイベントです。日本に生息する素晴らしいクラシックカーが展示され、日本橋という土地と共に日本の歴史とクラシックカーという文化的な想いに馳せる時間をすごすことが出来る素敵なイベントです。2018年4月に開催されましたが、その前は2010年から2012年に開催されており、不定期の開催となっています。
【公式HP】ジャパン・クラシック・オートモーティブ ホームページ

3-2.【海外:イタリア】Concorso deleganza villa deste

毎年5月下旬に北イタリアの名勝地コモ湖畔にある歴史的なホテルの庭園で開催されるクラシックカーのコンクールイベントが、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステです。1929年から開かれてきた世界2大コンクールデレガンスの一つで、そこにはまさに華麗な世界が広がっています。美しい風景と美しいクラシックカー、そして紳士淑女が美しくふるまう姿は世界最高峰の貴族世界を垣間見させてくれます。
【公式HP】Concorso deleganza villa deste ホームページ

3-3.【海外:アメリカ西海岸】Pebble Beach Concours d’Elegance

今から64年前の1950年にカリフォルニア州モントレー、ペブルビーチ周辺の森の中の公道を閉鎖して自動車レースが行われ、そのレースに参加するドライバーたちによるレースカー自慢がきっかけとなり、世界2大コンクールデレガンスであるペブルビーチ・コンクールデレガンスがはじまりました。現在も毎年8月のモントレーカーウィーク中に行われ、全米トップクラスのゴルフコース、ペブルビーチの18番ホールに素晴らしいクラシックカーが並びます。最近は、このイベントでコンセプトカーや新車を発表する自動車メーカーも増えてきており、いっそう盛り上がりを見せています。
【公式HP】Pebble Beach Concours d’Elegance ホームページ

4. ミーティング型イベント

クラシックカー愛好者が集まって、車談義や情報交換などを楽しむカジュアルなミーティング型イベントも各地で開催されています。これらイベントの参加規定は、比較的ゆるく、広く多様なモデルが集まります。時にはほとんど知られていない珍車と出会うこともあり、そのオーナーさんから直接お話を聞くのもミーティング型イベントの醍醐味のひとつです。

4-1.トヨタ博物館クラシックカーフェスティバル

1990年以来、春は愛知県長久手市、冬は東京都神宮外苑で行われているトヨタ博物館主催のクラシックカーイベントです。個人所有のクラシックカーによる公道パレードと展示、トヨタ博物館収蔵のクラシックカーの走行披露や乗車しての記念撮影など大人から子供まで楽しめる参加型のイベントとなっています。
【公式HP】トヨタ博物館 ホームページ

4-2.ニューイヤーミーティング

レースイベントを運営する日本クラシックカー協会が、年初に開催する大規模なミーティングイベントがニューイヤーミーティングです。クラブブースやスワップミートと呼ばれる自動車関連のグッズやパーツを扱うフリーマーケット店舗も出店しており、見学だけでなく買い物客も含め毎年大変な盛り上がりをみせています。開催場所が、お台場ということで関東近郊から広くクラシックカーや旧車が集まっていますが、イベントの参加車両はクラシックカーより、日本の旧車が多いイベントです。
【公式HP】日本クラシックカー協会 ホームページ

4-3.カーマガジンウィークエンド

2017年から開催されているカーマガジン主催のミーティングイベントです。大磯ロングビーチ駐車場で行われ、約400台の参加車両が集まります。参加車両とそのオーナーの中からベストドレッサー賞などの表彰があったりと、カジュアルな雰囲気のなかで楽しんでおり、初心者や個人でも参加しやすいイベントのひとつです。
【公式HP】カーマガジン ホームページ

4-4.熱海ヒストリカG.P.

東洋のモナコと言われた熱海を盛り上げようとスタートしたミーティングイベントです。長浜海浜公園のキレイな芝生の上に色とりどりのクラシックカーが並ぶ光景は、欧米のコンクールデレガンスを彷彿されます。また、クラシックカーの展示を中心としたミーティング型イベントの他に、1日型のクラシックカーラリーやヒルクライムのレースなども行われ、いろいろなタイプのクラシックカー愛好家が一度に楽しめるイベントとなっています。
【公式HP】Automobile Club Japan ホームページ

クラシックカーイベントの楽しみ方

各地でさまざまなクラシックカーイベントが開催されていますが、参加者はどのように楽しんでいるのでしょうか?
昔からお祭りやイベントは、参加して楽しむ人と見学して楽しむ人がいますが、クラシックカーイベントもその両面から楽しめます。

1.参加して楽しむ

文字通り、クラシックカーイベントにエントリーして楽しむ方法です。
ただし、クラシックカーの公道ラリーやサーキットレースなどの競技系イベントはエントリー費用が比較的高額です。クラシックカー公道ラリーでは、日程の長さにもよりますが、エントリー費用は数万円から数十万円となります。また、サーキットイベントも1レースで数十万円の費用がかかります。さらにこれらの競技系イベントでは参加車両規定も厳しく、比較的高額なクラシックカー・旧車でないとエントリー出来ない事も多い為、敷居が高いイベントになってしまっているのは事実です。しかし、その高額な参加費用よりも上回る楽しさもあるのが競技系イベントの魅力で一度参加すると、とことん熱中していく人が多いのも事実です。
一方、コンクールデレガンスやミーティング型イベントの展示系イベントは、エントリーフィーが安い事が多いです。特にミーティング型イベントでは、無料~数千円といった所です。これらのイベントでは、参加者同士が、同じ趣味を持つ仲間との交流を主な楽しみにしていますので、あらゆるテーマを設けたイベントを開催して、同じ趣向性のオーナーが集まるイベントを各地で開催しています。

2.見学して楽しむ

参加して楽しむのは非常に高額な費用も必要になり、さらに参加者には熱狂的な愛好者も多いので、敷居が高いと思います。しかし、見学している分には気軽です。クラシックカーイベントの多くは、見学者に対して広くオープンに開催されており、時に歴史資産といわれるような貴重なクラシックカーも参加し得いる為、これらを無料で見ることが出来る非常におすすめの方法です。さらに、参加者の中にはサービス精神旺盛の方もおり、子供へのオリジナルプレゼントを配っていたり、参加している有名人が気軽にサインや写真撮影に応じてくれたりと、参加者と見学者が気軽にコミュニケーションが出来る環境を作ることもクラシックカーイベントが大切にしている事のひとつです。

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まとめ

日本でも近年盛り上がりを見せているクラシックカーイベントの世界はいかがでしたが?
参加して楽しむ人、見学して楽しむ人もそれぞれ好きなタイプのイベントに参加し、クラシックカーとの触れ合いを通して、歴史的な古い物への愛着を深めて頂ければと思います。